「各論3章に入ると項目のブツ切り感が強くて、何をなぜ覚えるのかわからない…」という受験生、多いですよね。
大丈夫、全項目に「なぜこの論点が基準に入っているのか」という背景があり、そこをつかめば暗記の定着度は一気に上がります!
この記事を読めば、未竣工建物の評価要件・個別的要因の調査・ERの取り扱いまで、攻略の中盤戦を背景付きで整理できますよ。
この記事でわかること
- 各論3章攻略の3つの基本方針
- 未竣工建物等鑑定評価の要件と「現況所与の例外」の理由
- 個別的要因の調査の5項目と実地調査の5項目
- ERの4区分と入手不要な3パターン
- 論文で加点を狙える章をまたいだ接続の型
各論3章攻略の3つの基本方針
各論3章は中盤戦にさしかかると、ブツ切りに見える項目が続いて暗記が苦しくなってきます。
そこで意識してほしいのが、以下の3つの基本方針です!
- 項目建てを覚えて全体像を把握する
- 各論3章は「鑑定評価の手続きの章」と認識する
- 各項目建ての「背景」を理解してから暗記する
①②は前回の①で解説済みですね!
今回はとくに「なぜこの項目が基準に入っているのか」という背景にこだわって読み解いていきます。
背景がわかると、基準の文言が「覚えること」から「腹落ちする話」に変わっていきますよ!
「投資家に予期せぬ損害を生じる恐れがないか」——各論3章の多くの項目はこの観点から生まれている。迷ったらこのフレーズに立ち返るのがコツ

ブツ切りに見える項目も、根っこに共通の観点があるんですね



そうなんだよ!投資家保護の観点で読み直すと急にスッキリするよ



ERがわかったようなわからんような…感あるわ〜



大丈夫、背景をひとつずつ拾っていこう!
未竣工建物等鑑定評価の要件|現況所与の例外処理
各論3章6項目のうち、今回は③未竣工建物等の評価からいきます。
ざっくり言うといつもの条件設定3要件+証券化用の要件1つ、という構造ですよ!
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| ①実現性 | 建物の完成が現実的に見込めるか |
| ②合法性 | 建築基準法等の法令に適合しているか |
| ③利害関係者の利益を害するおそれがない | 第三者に不測の不利益を与えないか |
| ④証券化用:リスク回避の担保 | 未竣工リスクに対する担保措置が取れているか |
証券化評価では現況所与で評価するのが原則です。
想定上の条件や調査範囲等条件で価格形成要因をいじるのは基本NG。
その中で未竣工建物等評価の条件設定だけは例外として許されているのがポイントですよ!
なぜ未竣工評価のリスクが高いかというと、いわゆる開発リスクがあるからです。
- 本当に建物が建つのか
- 予定通りのスケジュールで建つのか
- 図面通りの建物が建つのか
こういったリスクがある以上、「投資家に予期せぬ損害を生じる恐れがないか」の観点から条件設定を厳格にする必要があります。
ここが、この項目建てが必要となった背景ですよ!



要は、未竣工はリスクが高いから特別ルールで守ってるわけやな



そのとおり!例外だから要件が厳しいって構図を押さえよう



背景を先に聞くと、要件が頭に入りやすいです



でしょ!丸暗記より背景→要件の順がオススメだよ
個別的要因の調査等は3部構成
④処理計画は重要度低めなので飛ばして、⑤個別的要因の調査へ進みます。
ここはさらに以下の3つに分かれた構造になっていますよ!
| 構成 | 論点 |
|---|---|
| (1) 個別的要因の調査 | 投資家保護の観点からリスクを徹底的に洗い出す |
| (2) 実地調査 | 実地調査の内容を鑑定評価報告書に記載 |
| (3) ERの取り扱い | 建築専門家のレポートを活用 |
(1) 個別的要因の調査の5項目
個別的要因の調査は一般案件でも当然やっていることですが、証券化評価では改めて「しっかりやれよ!」と注意喚起されているイメージです。
基準で列挙されているのは以下の5項目ですよ!
- 権利関係
- 公法上の規制
- アスベスト等の有害物質
- 耐震性
- 増改築等の履歴
(2) 実地調査で書くべき5項目
実地調査についても、鑑定評価報告書に記載すべき5項目が基準で決められています。
| 記載事項 | 補足 |
|---|---|
| 実地調査した年月日 | いつ見たか |
| 誰が実地調査したか | 鑑定士の氏名 |
| 立会人・管理人の氏名と職業 | 会社名+部署+役職の3点セット |
| 実地調査の範囲とヒアリング内容 | 見た範囲/聞いた内容 |
| 一部省略した場合の理由 | 内覧できなかった事情 |
ヒアリング内容は、登記に表れていない権利・地下埋設物(杭)・PCB含有物の保管など、現地でしか確認できない情報が中心です。
「しつこいな」と思うかもしれませんが、投資家保護の観点から改めて注意喚起しているのが背景ですよ!
一度評価した物件で個別的要因に大きな変化がない場合は内覧省略OK。証券化評価では同一物件を半年ごとに評価するのが基本で、内覧アリは年1回、もう1回は鑑定士判断で確認する運用が定着している



半年ごとに評価するんですか?頻度が高くてびっくりです



ファンド運用の関係でね!だから内覧省略のルールがあるんだよ



依頼者側の負担を考えた合理的なルールってことやな



そうそう!意味を知ると基準が冷たい暗記対象じゃなくなるでしょ
ERの取り扱いと不動産鑑定士が行う調査
ER(エンジニアリング・レポート)は建築・設備等の専門家が調査したレポートです。
ERの調査項目は大きく4区分に整理されていますよ!
| 調査区分 | 主な記載項目 |
|---|---|
| 建物状況調査 | 遵法性/維持管理状況/再調達価格/修繕更新費用 |
| 建物環境調査 | アスベスト/PCB |
| 土壌リスク評価 | 土壌汚染 |
| 地震リスク評価 | PML |
ERは要因資料のうち「個別資料」に該当します。
鑑定士は不動産評価の専門家ですが、建築物・設備の専門家ではないんですよね。
建物の詳細情報があればあるほど評価精度が上がり、評価額のブレが減るので、「投資家に予期せぬ損害を生じる恐れがないか」の観点からERの活用が基準に組み込まれているわけです!
ただし、ERは鑑定評価のためのレポートではないため、内容に不足があれば鑑定士がちゃんと補完してね、と基準に書かれています。
証券化評価ではER入手はマストですが、以下の3パターンだけ例外として入手不要とされていますよ!
| 例外パターン | 理由 |
|---|---|
| 取壊し予定 | 更地化するから(ただし土壌汚染・吹付アスベストは要) |
| 再評価案件 | 過去のERを活用できる(実務では5年に1回目安で取り直し) |
| 戸建住宅 | 鑑定士でも建物チェック可能と国交省が判断 |
ERは1件100万円以上する高額レポート。毎評価で取り直すのは非現実的のため、5年に1回程度の更新サイクルで運用するのが一般的
論文テクニックとしては、個別的要因に関する問題で「専門性の高い個別的要因(土壌汚染・アスベスト等)については、ER等を活用し鑑定評価の各手法へ適切反映するよう留意すべきである」という一言を添えると印象が良くなります。
さらに「対象不動産の確認」の論点で、各論3章の『個別的要因の調査等』や『実地調査』に触れられると、採点者にしっかり伝わる答案になりますよ!



ERが100万以上って、そりゃ毎回は取れんわ



そうなんだよ〜!だから運用ルールまで含めて覚えると実務感覚が身につく



論文で章をまたいで書けると、加点が狙えるんですね



そのとおり!インプットの段階から接続の発想を持っておこう
よくある質問
- 未竣工建物等の評価は試験でよく出ますか?
証券化評価の条件設定の論点として頻出です。現況所与の原則との対比で押さえておくと、論文でも応用が利きますよ
- 個別的要因の5項目と実地調査の5項目は混同しそうで心配です
「何を調査するか(個別的要因)」と「どう書き残すか(実地調査)」で目的が違うと区別するのがコツです。対比で覚えると混同しにくくなりますよ
- ERが入手不要な3パターンは優先度高いですか?
論文の細かい論点で問われることがあるので押さえておく価値は十分あります。取壊し・再評価・戸建の3つをセットで覚えてしまいましょう
まとめ



今日のポイントをおさらいしよう!
- 証券化評価は現況所与が原則、未竣工建物評価は例外処理
- 例外対応のため、実現性・合法性・利害関係者保護+リスク回避担保が要件
- 個別的要因の調査は3部構成(個別的要因/実地調査/ER)
- 個別的要因・実地調査は「改めてちゃんとやれよ」という注意喚起
- ERは4区分構成、入手不要は取壊し・再評価・戸建の3パターン
- 論文では「対象不動産の確認」の論点に各論3章を接続すると加点可能性アップ
各論3章の中盤戦は、「投資家に予期せぬ損害を生じる恐れがないか」という観点が全項目の土台になっています。
背景を押さえてから基準を読むと、ブツ切りに見えていた項目同士がつながって見えてきますよ。
もうひと踏ん張り、一緒に頑張っていきましょう!





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