「DCF法、数式を見た瞬間に数学のトラウマがよみがえる…」という受験生は多いですよね。
でも大丈夫です。DCF法の基本式は前半(純収益の割引)と後半(復帰価格=直接還元法)の組み合わせにすぎません。
基本式を分解して読み解いていけば、DCF法は意外とシンプルな手法だとわかりますよ!
この記事でわかること
- 直接還元法とDCF法で想定される投資家像の違い
- DCF法の基本式を「前半・後半」に分解する考え方
- 前半=純収益(インカムゲイン)の割引計算
- 後半=復帰価格(キャピタルゲイン)は直接還元法で求めるだけ
- DCF法の定義と基本式の対応関係
直接還元法とDCF法で想定される投資家のイメージ
小難しいことを考える前に、2つの手法で想定されている市場参加者(投資家)のイメージから入りましょう。
若干語弊はありますが、理解のとっかかりとしてつかんでおくと後がラクになりますよ!
| 手法 | 想定される投資家像 | 着目点 |
|---|---|---|
| 直接還元法 | 買って持ち続ける長期保有型 | 毎期の純収益(家賃収入) |
| DCF法 | 一定期間持ってから転売する投資型 | 保有期間の家賃収入+転売益 |
DCF法は「持って・家賃もらって・売る」を一連のシナリオで想定する手法、と覚えてしまうのが近道です。
このイメージを持ったうえで基本式に入ると、数式の意味が見えやすくなりますよ!

DCF法って何を言っているのかさっぱりわかりませんでした



まずは投資家のイメージから入ろう!数式はそのあとでOKだよ



Σとか乗数とか見ると数学のトラウマがよみがえる〜



わかる!でも分解したら単純な話だから、もう少しだけ付き合って
DCF法の基本式を前半・後半に分解する
収益還元法の学習のコツは、全体像をざっくりつかんでから細部を見ていくことです。
直接還元法と同じで、DCF法も基本式を覚えるところから始めましょう!
例として、3年間保有した後に売却するケースを考えます。
DCF法の基本式は、前半と後半に分けて考えることができます!
| 構成 | 内容 | 分類 |
|---|---|---|
| 前半 | 3年間家賃をもらう | インカムゲイン |
| 後半 | 3年後に転売して儲ける | キャピタルゲイン |
この2つを合計したものがDCF法の収益価格です。
「儲けパターンが2種類あるだけ」と思えば、数式の見え方がまったく変わってきますよ!
前半:純収益の割引計算(インカムゲイン)
前半部分は、保有期間中の純収益(家賃収入)を扱う部分です。
3年保有ならa1・a2・a3(各年の純収益)が登場し、毎年お財布にチャリンチャリン入ってくる家賃収入を表しています。
ただし、受け取るのは未来のことなので現在の価値に補正する必要がある——これが「割引計算」です。
数式では(1+Y)で割る処理にあたります。
「将来もらえる100万円」は「今すぐもらえる100万円」より価値が低い、という概念。未来のお金を現在の価値に戻すのが割引計算の役割。経済学で習う内容なのでここでは割愛
つまり、前半部分は「保有期間中の各期の家賃収入を、現在価値に割り戻して合計している」だけの話です。
Σ(シグマ)で書かれると身構えますが、中身は単純な足し算ですよ!
後半:復帰価格は直接還元法で求める(キャピタルゲイン)
後半部分にはPR(復帰価格)という用語が登場します。
復帰価格とは、要するに転売価格のことです。
ここで注目してほしいのが、復帰価格の計算式の中身です。
3+1とか3とかの細かい数字を無視してよく見てみてください——直接還元法の基本式そのものなんですよ!
保有期間満了時点で直接還元法を適用して転売価格を求めているだけ。「その時点での純収益 ÷ 還元利回り」で算定するシンプルな構造
もちろん転売も未来のことなので、復帰価格も現在価値に割り引きます。
つまり後半部分は「保有期間満了時の転売価格(=直接還元法で求める)を現在価値に割り戻している」だけの話なんです!
ここまでくれば、見出しの意味が腑に落ちるはず。
「DCF法の基本式は、純収益と直接還元法の組み合わせなだけ!」ということが見えてきたでしょうか?



復帰価格って直接還元法そのままかいな〜



そうなんだよ!新しい手法を学んでいるように見えて、実は直接還元法の応用なんだよ



前半と後半に分けると、やっていることが全然難しくないですね



そう!数式だけ見ると威圧感あるけど、意味を分解すればシンプルだよ
DCF法の定義と基本式の対応関係
ここで改めて、DCF法の定義を見直してみましょう。
DCF法とは、①連続する複数の期間に発生する純収益、および②復帰価格を、その発生時期に応じて現在価値に割り引き、それぞれを合計する方法をいいます。
| 定義の部分 | 基本式の対応 | 内容 |
|---|---|---|
| ①連続する複数の期間に発生する純収益 | 前半の式 | 家賃収入(インカムゲイン)の割引合計 |
| ②復帰価格 | 後半の式 | 転売価格(キャピタルゲイン)を直接還元法で求めて割引 |
| ①+② | 合計 | 収益価格 |
この対応関係が見えれば、定義文と基本式がピタッと重なるはずです。
あとは純収益・還元利回り・保有期間の設定といった細部を押さえていくだけですよ!



定義と基本式を照らし合わせると、ものすごく整理されますね



でしょ!定義は抽象的に見えるけど、基本式と対応させれば具体的に何のことか見えるよ



あれ?DCF法って案外難しくないかも?



それを感じてもらえたら大成功!次は実際に答練で手を動かしてみよう
よくある質問
- 割引計算の仕組みが経済学で未習なのですが、問題ないですか?
「将来のお金は現在の価値に戻す必要がある」という考え方さえ押さえておけば大丈夫です。計算自体は(1+Y)で割るだけで、経済学の詳細は鑑定理論の学習と並行して触れていけば十分ですよ
- DCF法の数式はすべて丸暗記する必要がありますか?
前半(純収益の割引合計)と後半(復帰価格の割引)という構造さえ理解していれば、Σの中身は導出できます。構造の理解を優先して、式そのものは繰り返し書いて体に入れるのがオススメですよ
- 保有期間は何年で想定するのが一般的ですか?
実務では5年または10年が主流です。試験問題では問題文で指定されるので、指定に従って式を組み立てればOKですよ
まとめ



今日のポイントをおさらいしよう!
- DCF法は「一定期間保有して転売する投資家」を想定した手法
- 基本式は前半(純収益)+後半(復帰価格)に分解できる
- 前半はインカムゲイン、後半はキャピタルゲイン
- 後半の復帰価格は直接還元法で求めているだけ
- 両方とも現在価値に割り引いて合計すれば収益価格
- 定義と基本式を対応させれば、見た目のややこしさが消える
DCF法は、純収益と復帰価格の2つを現在価値に戻して合計するだけ——これだけ押さえておけば、道に迷わず勉強できます。
基本式はややこしく見えますが、分解してみれば大したことはやっていません。
ぜひこの視点で基準を読み返してみてくださいね!








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