「会計学って覚えることが多いし、何をやっているのかイメージしにくい…」
私は銀行員だったのでなんとなくなじみがありましたが、苦労している人は多いと思います。
振り返ってみると簿記の知識があったからこそ会計学は効率的に学べたと感じています。
「まず簿記3級の仕訳を覚える」という一手間。
これだけで会計学の暗記が一気に楽になりましたよ!
この記事でわかること
- 会計学と簿記の関係を「理論と実務」で整理する方法
- 簿記3級が会計学の暗記負担を減らす具体的な理由
- 10日・30時間で終わらせる勉強法とおすすめ教材
- 簿記2級が不要な理由と実務での活用場面
会計学と簿記は「理論と実務」の関係にある
まず、会計学と簿記がそれぞれ何をしているのかを整理します。
簿記は、日々の取引を「仕訳」という処理でまとめて、決算書(B/S・P/L)を作る実務作業です。
会計学は、その仕訳のルールを決めているものです。
もし会計学というルールがなかったら、「ビルを1億円で買ったけど、見た目がきれいだから帳簿には3億円にしておこう」「減価償却?大事に使うから価値は減らない!」という自由な決算書ができてしまいます。
会計学はこういった恣意的な処理を防ぐためのルール集です。
そして簿記は、そのルールに従って機械的に処理する実務作業——という関係になっています。
鑑定理論に例えると、会計学は論文(理論)・簿記は演習(手法の適用)に近い関係です。
演習をやると理論の理解が深まるように、簿記をやると会計学の理解が一気に進みます!
資産除去債務や圧縮記帳のような日本語だけでは意味がつかみにくい論点も、仕訳が分かるとスッと頭に入ってきますよ。
会計学=仕訳のルールを決めるもの、簿記=そのルールに従って処理する実務。仕訳を知ると「なぜそのルールなのか」が腑に落ちて暗記がスムーズになる
わるきん会計学ってなんか雲をつかむような話でイメージしにくいんやけど〜



簿記の仕訳を一回やってみると「あ、あのルールはこういう意味だったのか」ってなるよ



鑑定理論の論文と演習の関係に近いというのはわかりやすいです!



そうそう!演習やると理論が腑に落ちるでしょ?あれと同じ感覚だよ
簿記3級なら10日・30時間で会計学の暗記が楽になる
ただ漠然と簿記を勉強するより、目標があった方がモチベーションが上がります。
そこでおすすめなのが日商簿記3級の試験です。
10日程度(20〜30時間ほど)集中すれば合格ラインに届くレベルで、鑑定士試験の勉強と並行しても十分こなせる範囲です!
簿記3級に投資する30時間は、会計学の暗記作業を30時間以上短縮する効果があります。
急がば回れ——少し寄り道するように見えて、結果的に時間を節約できます。
また、日商簿記3級はネット試験(テストセンターで毎日受験可能)なので、タイミングを選ばず気軽に受けられますよ。
| 項目 | 簿記3級 | 簿記2級 |
|---|---|---|
| 勉強時間の目安 | 20〜30時間(10日程度) | 100〜200時間(1〜2ヶ月) |
| 鑑定士試験との関連 | 会計学の理解に直結 | 工業簿記が入り試験範囲から脱線 |
| おすすめ度 | ★★★(ぜひ取り組む) | 不要 |
| 独学の可否 | 独学でOK | — |
なお、落ちても再受験は不要です。
簿記3級の勉強で得られる「仕訳の感覚」が目的なので、合格証書よりも理解することの方が大切です。
履歴書に書いて意味があるのは2級からと言われていますが、鑑定士試験対策としては3級で十分ですよ。
独学でOK。インプットはほどほどに、問題集をガンガン回して仕訳を体で覚える。TACの「スッキリわかる日商簿記3級」がおすすめ



鑑定士の勉強で手一杯なのに、また別の試験の勉強するんか…キツいわ



10日間だけの寄り道だよ!それで会計学の暗記が楽になるなら十分元が取れるよ



落ちても再受験不要というのは、合格より「理解すること」が目的だからですね



そういうこと!仕訳の感覚が身につけば会計学の問題文がすんなり読めるようになるよ
簿記2級は不要——引き算で勉強時間を守る
「どうせやるなら2級まで取った方がいいんじゃ?」という疑問が出やすいですが、鑑定士試験対策としては簿記2級は不要です。
2級から工業簿記(製造業の原価計算など)が加わり、鑑定士試験の範囲から完全に外れていきます。
時間対効果が著しく下がるため、3級で止めるのが正解です。
勉強では「何をやるか」より「何をやらないか」を決める方が難しく、かつ重要です。
鑑定士試験の勉強時間は有限です。
簿記2級に100〜200時間を使うなら、その時間は鑑定理論や民法の復習に回した方がはるかに合格に近づきますよ。
簿記2級は工業簿記が入り鑑定士試験の範囲から脱線する。3級で止めて、節約した100〜200時間を鑑定理論・民法の強化に使う



2級まで取っといた方が後々なんかに使えへんの?



鑑定士試験対策としては完全に過剰投資だよ。3級で目的達成できるから



「やらないことを決める」という発想、試験勉強全般に応用できそうですね



そうそう!限られた時間の中で合格を狙うなら「足し算より引き算」が大事だよ
簿記の知識は鑑定評価の実務でも役立つ
試験対策としての有効性だけでなく、鑑定評価の実務としても簿記の知識は役立ちます。
たとえば、事業用不動産の評価をするときに財務分析をして賃料水準を把握することがあります。
その事業から生み出される収益から、負担可能な賃料を逆算して求める手法です。
このとき、P/L(損益計算書)の利益階層——売上高・売上総利益・営業利益・経常利益の流れ——を理解していないと、「なぜこの数字から賃料が求まるのか」がわかりません。
財務諸表が読める鑑定士は、事業用不動産の評価精度が上がるだけでなく、クライアントとの会話の幅も広がります。
試験のためだけでなく、合格後の仕事でも活きる知識として取り組む価値がありますよ!
P/Lの利益階層と賃料査定の関係
売上高から順に費用を引いていくと「売上総利益→営業利益→経常利益」が求まる。事業用不動産の賃料査定では、営業利益ベースで「この事業が負担できる賃料の上限」を逆算することがある。この流れを仕訳レベルで理解していると、財務諸表を見ながらクライアントに説明する際に説得力が増す。
財務諸表が読めると事業用不動産の評価精度が上がり、クライアントとの対話の幅も広がる。試験勉強の段階から「実務につながる知識」として意識すると、勉強のモチベーションも上がる



鑑定評価の実務でも使うんやったら、確かにやっといた方がええな



そうだよ!試験だけじゃなくて合格後の仕事でも使えるって思うとモチベーション上がるよね



P/Lの利益階層を知っておくのは、財務分析が必要な案件で差が出そうですね



実際に差が出るよ。財務諸表が読めると「この事業は賃料の負担余力がこのくらい」ってすぐ判断できるから
よくある疑問
- 簿記の勉強は鑑定士の勉強を始める前にやった方がいいですか?
会計学の学習が始まる前後のタイミングがベストです。会計学のテキストと並行して取り組むと、理解のリンクが生まれやすくなります。
- 簿記2級まで取得した方が鑑定士試験に有利になりますか?
2級は不要です。工業簿記など鑑定士試験の範囲外の内容が増えるため、時間対効果が著しく下がります。3級で十分ですよ。
- 会計学がゼロの状態でも簿記3級から始めて大丈夫ですか?
大丈夫です。簿記3級はゼロから始める人向けに設計されており、テキスト一冊で独学できます。むしろ白紙の状態から始める方が混乱が少ないくらいです。
- 簿記の勉強は鑑定士試験の本番直前でもやる意味がありますか?
直前は避けた方が無難です。余裕のあるタイミング(会計学の学習開始前後)に集中してやりきるのが一番効果的ですよ。
まとめ



今日のポイントをおさらいしよう!
- 会計学は「仕訳のルール」、簿記は「ルールに従った処理」。仕訳を知ると会計学の暗記が楽になる
- 簿記3級なら10日・30時間の投資で会計学の暗記負担を大幅に短縮できる
- 簿記2級は工業簿記が入り鑑定士試験の範囲から脱線するため不要。3級で止める
- 落ちても再受験不要。「仕訳の感覚を身につけること」が目的
- 簿記の知識は実務でも活きる。財務諸表が読めると事業用不動産の評価精度が上がる
少し寄り道に見えますが、急がば回れです。
会計学の暗記に苦労していると感じているなら、まずは簿記3級のテキストを一冊手に入れてみてください。
10日後には会計学の見え方がきっと変わっていますよ!










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